流祖小堀遠州は、仙洞御所をはじめ幾多の庭園や建築をプロデュースいたしました。
遠州はきっと「ここには木があった方が良いな」「この飛石はこの方が良いかな」など色々な事を悩みながら設計していたことでしょう。
「観るものの悦び」を感じる…庭をつくる醍醐味の多くはそこにあるのだと思います。
私は西蔵院庭園をより良くするために、様々な角度から庭園を徘徊します。
「この飛石からの景色をより良くするにはこの枝はない方が良いな…」
枝1本でさえ、その景色は大きく変わるのです。
木1本では、庭のイメージを180度変えることもあります。
草木は自然です。
自然が相手だからこそ、難しくもあり楽しくもあるのです。
しかし「観るものの悦び」のために…遠州と少しは同じ気持ちになれたのかなと錯覚いたします。